構想から１年以上、「至福のハヤシライス」が完成しました。「紀尾井町福田家」4代目・福田貴之

この度、和風デミグラスソースのハヤシライスを完成させ、レトルト食品ならびに冷凍食品として販売することになりました。

紀尾井町福田家の日本料理は、日本各地の素晴らしい生産者の方々が作る食材に支えられています。それぞれに信頼のおける生産者さんが心をこめて送ってくださる食材があるからこそ、そのおいしさを存分に活かした季節の御献立をお作りし、お客様にお届けすることができるのです。

このハヤシライスは、ある生産者の方が送ってくださった淡路産玉ねぎをきっかけに誕生しました。味見をさせていただいたところ、ことのほかおいしく、料理長や調理場の皆で「この淡路産玉ねぎを使った新しい料理を何か作れないだろうか」とあれこれ考えておりました。

ある日、まかないで使うデミグラスソースに入れハヤシライスを作ってみたところ、玉ねぎの甘みとやわらかさがソースにマッチし、とてもおいしく仕上がることがわかりました。

「このハヤシライスを商品化し、お客様のご家庭にお届けすることで、みなさまに少しでも喜んでいただけるのではないか…」そんな思いから、商品化に向けて試行錯誤を重ねて参りました。

ソースは、浜風にあたり甘みの強い淡路産玉ねぎと牛テールを５時間以上じっくりと煮込み、２種の味噌とたまり醤油、味醂を独自の配合でブレンドし、和のエッセンスを感じるコク深いデミグラスソースに仕上げました。具材には、この度ご縁をいただいた日本橋人形町の老舗精肉店「日山」さんに肉の選定のご協力をいただき、良質な黒毛和牛の肩肉を贅沢に使用しております。

レトルト食品ならびに冷凍食品へと加工する過程で、味の再現性に関しては、じっくりと時間をかけてこだわりました。特に肉の部位や量、油の加減は調整を重ねてまいりました。その甲斐あって、ソースと肉のバランスは理想通りに仕上がっております。注目してみてください。

紀尾井町福田家の新しい試みとしてお届けするこのハヤシライスは、福田家が受け継いできた伝統、生産者さんとの出会いと絆、彼らが作る食材自体の持つ旨味や魅力がひとつになって生まれました。そして何より、普段から足をお運びくださるお客様への感謝の気持ちを込めて丁寧にお作りしております。ぜひご堪能くださいませ。